木の香の家

金沢市内の木造平屋建て住宅です。
約350坪の敷地には、母屋（昭和初期）や土蔵、増築棟など複数の建物が建っています。
定年後にUターンされた熟年ご夫婦と高齢に母の３人の住まいとして、土蔵や既存建物の一部を取り壊し、そこに平屋建ての家を新築しました。
先祖の歴史や記憶を残そうと、当初は土蔵やリビングを再生させる計画でしたが、解体中に老朽がひどく再生不可能と判明したために、急遽ケヤキの牛梁と屋根瓦のみを再利用する計画に変更しました。
使用する木材や建材は、能登ヒバや杉などの自然素材・地元産材にこだわりました。
また、通風や断熱などにも配慮し、室内にいても森の中の自然に包まれているような空間と環境づくりを目指しました。各所でのバリアフリーもさりげなくデザイン化し、自然な素材が経年とともに味わい深く風化し、末永く家族の記憶や歴史が引き継がれる、そんな ”すまい” であってほしいと思っています。

■令和２年度　いしかわの木づかい表彰
■令和２年　　石川県デザイン展　（一社）石川県建築士会 会長賞
■令和２年　　金沢市都市美文化賞